2017年6月25日鳴門ボート

強すぎる石野〝SG連覇〟

中道氏のなしえなかった〝鳴門SG優勝〟

211211[1]着。石野貴之(大阪)は優勝戦を前にして、オール2連対をキープする抜群の安定感ぶりを誇った。大外6コースから差し切れば、2コースツケマイ一気、5コースからの捲り差し突破…と結果もさることながら、コース不問で多彩なワザを連発するという内容も言うことなしだ。とにかく強いのひと言。前月の前回SGである福岡オールスターを制した勢いは鳴門の地でも、とどまることを知らなかった。

この約1年前のSGオーシャンCも鳴門での開催。その時の覇者も石野だった。相性のいい水面で、さらに強大な存在になるばかり。もう誰も石野を止められないのか。そう思った瞬間、ふとあの方の姿が思い浮かび上がった。「あのレジェンドがいれば、どうなっていただろうか…」

SG開催で特別に設営されたクーラーのよく効いた記者席の中、自分の傍らにいる本紙評論家の中道善博氏に目が行った。氏と言えば地元・鳴門で無類の強さを誇り、SG8Vという伝説の元レーサー。酒席で氏から「自分が現役の時に鳴門でSGをやってくれていたらな。ええ勝負になったと思うよ」と聞いたことがある。鳴門ではスタート練習なしでも、バチッとスタートを決められる自信があったと言う。これから始まる優勝戦に『中道善博』という名前があれば、1号艇の石野をどれだけ脅かすことになっただろう。まさにドリームレース。実現することのない夢想だった。

迎えた優勝戦。石野は同じタイミングでスリット後にグイッと伸ばした2コースの丸岡正典をうまくカットして押し切り勝ち。SG連続優勝に、鳴門SG連続優勝となった。中道善博氏のなしえなかった“夢”を実現する唯一のレーサー。なるほど2年半後、氏と同じく艇界の頂点(19年グランプリV)に立つわけだ。

 

<スポニチボート記者・大中耕司>