2009年6月28日 ボートレース戸田

今垣 咲かせた捲りの華

SG2節連続賞典除外のウップン晴らした

12R優勝戦、2周目2マークをトップで回る今垣光太郎

あのことわざを強く思ったことが、これまでにあっただろうか。今垣光太郎はSG開幕戦のクラシックを予選トップ通過。準優も勝ち上がった。レース後、待機行動違反のつらい宣告が待っていた。悪夢は続く。オールスターも準優1着の後、不良航法を科された。ともにジャッジは微妙なものだった。SG2節連続の賞典除外による優出漏れ。そんな背景があったから、なおさら印象が強い。

予選をトップで駆け抜けた。準優は1号艇。頂点まであと2つ。神様は試練を与えた。予選18位通過の松井繁が前付け、楽なインとはならなかった。王者の気合差し。今垣は2周2Mの前競りに乗じ2番手に浮上。優出キップをつかんだ。

さすがはキング・オブ・SGだ。優出6人は締めてSG20冠の超豪華版となった。思い返しても、ゾクゾクするメンバー。今垣は4号艇、チルトをどうするか迷って0を選択した。伸び重視のセッティング。これは行く気だ。雨が落ちる中、捲りの華が咲いた。ウップンを晴らすかのようなカド攻め。三度目の正直。ガッツポーズは力強かった。

ヒーローインタビューでは天に感謝した。「雨のおかげでダッシュ向きの湿気になってくれた。チルト0にすると回り過ぎていたので、湿気があった方が伸びが付くと思った」。7度目のSG制覇。その内、逃げて勝ったのは02年メモリアルだけ。多彩なワザでビッグタイトルをコレクトした。

現在は担当を離れ、馬券道を歩む。あの当時、記者たちはリスペクトも込め「カド垣さん」と言った。青カポックの今垣に心が躍った。前へ前へと体を揺らし、しゃくって攻めてくれるからだ。今垣をマークする位置だった平石和男は道中の運びが巧みなレーサー。3着は逆転の形だった。選手の特性をつかんで、展開を読む。それがズバリとハマった時の快感にかなうものはないと、今でも思う。

 

<スポニチボート記者・小林篤尚>